超過激な福祉芸術論  『私的論考 知的障害者にとって自立とは』

 今から10年くらい前になりますが、知的障害児の「親の会」に頼まれて作っていたホームページがありまして、私はそこにこっそりと『私的論考 知的障害者にとって自立とは』という論文を載せておりました。しかも、あまりにも過激でしたので、あくまでも私的論考です!と明打っての執筆でした。ところが、ある組合員の人に、それが見つかってしまいまして、「おもしろいから、隠さないで、もっと書いて!」といわれ、調子にのって第6章まで書いちゃったのです。
 当時は、ちょうど『障害者自立支援法』というものが施行されようとしていたときで、障害者の親の会の人たちは「これは、障害者自殺支援法」だと言って猛反対していました。また、千葉県では『障害者差別撤廃条例』というものまで成立させようという動きまでありまして、障害者を雇用されている会社経営者達には「感謝の気持ちが足りん!」と大ブーイングでした。それは、障害者を挟んで、まるで戦争のような状態だったのです。
 そんな中で、最も過激だったのが『脱施設』を掲げていた人々です。障害者を施設から追い出して地域で生活させよういう運動で、実は、私もその中にいたのです。しかも私は、思想的にはパンクでアウトサイダーだったものですから、「親の会」では危険人物扱いだったに違いありません。
 しかし、これは、私流の福祉芸術論を展開し始めた原点ともいえる書簡なので、しばらく紹介していこうと考えております。それでは、次回から6回に渡って紹介いたしますので、ご期待下さいませ。